ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
「ねー、湖依まだ? 遅刻しちゃうんじゃないの?」
「ま、待ってください。いま頑張ってるんです……っ」
指先がプルプル震えて、ブラウスのボタンがうまく留められない。
そ、それにブラウスの隙間から未紘くんの裸が少し見えて、目のやり場にすごく困ってる。
どこに視点合わせたらいいの……!
「湖依ってほんと男に慣れてないよね」
わたしが必死に頑張ってるのを愉しそうに見てるだけの未紘くん。
ちっとも手を貸してくれない。
心臓がちょっとずつドキドキしてる。
これ以上ドキドキしたら……また発情しちゃう。
だから、なんとか平常心を保とうとするのに。
「ひゃっ……な、なんですか」
「んー? ただじっとしてるのつまんないから」
わたしの頬に触れながら、腰のあたりに手を回してさらに距離を縮めてきてる。