俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
公園を抜けた道にあるパン屋さんに一人で向かった。

公園は人通りが少なく、薄暗い道を若い女性が歩いていれば、よからぬ奴らに狙われて当然だ。

腕を掴まれ、引き倒された。

「いや、助けて」

俺は偶然にその場に居合わせて、女性の叫び声の方に向かった。

女性の腕を押さえつけ、身体を重ねようとしていた。

「やめろ」

俺はそいつを女性から引き離した。

そいつは慌ててその場を去っていった。

女性は身体を震わせて、怯えて気を失った。

その時が俺とまりえさんの初対面だった。

救急車を呼び、警察に連絡した。

俺はまりえさんを忘れることは出来なかった。

あれから十年、俺はまりえさんを守れるボディーガードとしての実績を積み、
個人的に仕事の依頼を受けてきた。

そして小出ホールディングス社長に、まりえさんのボディーガードをさせてほしいと懇願した。

そして、今回まりえさんの一人暮らしがしたいと言う強い願いがあることを知った。

< 11 / 69 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop