俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「やりたいこと全部我慢して、がむしゃらにに頑張ってきた。医者としてのアイツは尊敬してるし、子供の頃は認められたかったけど……。年齢を重ねるうちに関係性がなんとなく普通じゃないって……分かってきてさ」
私より大きい筈の背中が、凄く小さく見えた。
「医者は目指すけど。全部、従順になるつもりはなくて、俺の人生だから……」
小さな子供みたいに寂しくて泣いているように見えるから、胸がギュッと締め付けられる。
「は、春多くん……」
「ふはっ、何て顔してんだよ?心配しなくていいよ。アイツの事は俺がなんとかするから。あんたは安心してよ……て、なにしてんの??」
春多くんの頭に手をポンと乗せて、サラサラな黒髪をぐしゃぐしゃにすよう撫でた。
「よしよし、してるの」
「えー……なんだよ。俺さ、子供じゃないんだけど」
「春多くん、今まですっごく頑張ってきたんでしょ?だから、"頑張ったね"と"ありがとう"のご褒美!ほら、私は春多くんいなきゃどうなってたか分からないでしょ?」
「……ご褒美、安くね?」
「気持ちでしょ?心がこもってるの!!」
「じゃぁ、もっと豪華に撫でてよ。膝枕でほっぺにチュー付きとか」
「もう、調子良すぎ!」
「あんたに言われたくねーよ」
なんて、春多くんの顔がくしゃりと崩れて、子供みたいな笑顔をみせるけど。
続きは、無しかな?
もうそんな雰囲気じゃなくなっちゃったよね……。