クールな幼なじみが本気になったら
「きてくれないかもとも思ってたんです。でも、花岡先輩がそんなひどいことするわけないですよね!」


ユウヤくんは、無邪気に笑う。


「ここにきてくれたってことは、いい返事…期待してもいいですか?」


ユウヤくんがゆっくりと歩み寄ってきて、まん丸な目でわたしの顔を覗き込む。


それはもはや、ご主人様にかまってほしい子犬そのものだ。


…でも。

このあとのわたしの発するひと言で、きっとこの愛らしい表情は崩れてしまうことだろう。


そう思うと、胸が締めつけられた。


だけど、言わなければならない。



「…ユウヤくん」

「はいっ!」


眩しすぎる期待の眼差しが…痛いっ。


わたしは手をもじもじさせて、口を少しだけ開いて、小さな声を絞り出した。


「いろいろ考えたんだけど…。わたし…やっぱり、ユウヤくんとは付き合えません。…ごめんなさい」
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