クールな幼なじみが本気になったら
そんなりっくんに惚れてしまった人物が…また1人。



「…あっ。律希くんだ」


それは、わたしと話していた芽依から漏れた声だった。

わたしよりも先に、廊下を通りかかったりっくんに気づいた。


「そういえば、しずくさ。律希くんと同じ学校だったんなら、連絡先とか知らないの?」

「…えっ?りっくんの?」

「そうそう!」

「それは…知ってるけど」


わたしがそう呟くと、芽依は目を輝かせた。


「だったら、教えてよっ♪」


机から身を乗り出すようにして、わたしに顔を近づける芽依。

まだなにも言っていないのに、『ありがとう!』と言わんばかりに、わたしの手をギュッと握りしめてくる。


「で…でも、りっくんってあんまり返信とかしないタイプだよ?」

「それでもいいの♪律希くんに連絡先教えてもらえないか、聞いてみてよ!」
< 54 / 220 >

この作品をシェア

pagetop