クールな幼なじみが本気になったら
無口でクールだから、てっきり無愛想だと思い込んでいたらしい。

それが、少し話してみたら全然違う印象で、いい意味でりっくんへのイメージがガラリと変わったという。



「あたし、一目惚れとか初めてかも…!」


少し照れながら、わたしに語る芽依。


芽依はその見た目から、他の男の子から言い寄られることが多いんだそう。

だから、自分から好きになったのはりっくんが初めてかもしれない。


親友の芽依が初めて一目惚れしたのなら、その恋を応援したい。

その相手が、まさかわたしの幼なじみだとは思わなかったけど。


「じゃあ、りっくんに連絡先のこと聞いてみるね」

「お願いー!」


芽依の頼みだから、なんとかしてあげたかった。


だけど、そのことをその日の夜にりっくんに電話で聞いてみたら――。


「篠田さんに俺の連絡先を?…なんで?」
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