白馬の王子と風の歌 〜幼馴染は天才騎手〜
「フーカ。すきだよ」
「あたしも……ハル、マ」

 身体中にキスをして、真っ白なシーツのうえで気持ちよさそうに瞳を潤ませる彼女の緊張をほぐしていく。
 俺だって緊張している。目の前の綺麗な肢体に、俺の手で甘く啼く艶やかな声音。
 フーカは俺の怪我の傷跡を撫でながら、愛おしそうに言葉を紡ぐ。


「――きて」


 花が綻ぶような彼女の表情を前に、俺の理性は吹っ飛んだ。
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