弁護士は逃げる婚約者を離したくない
そんなテンションで騒いで何とかなるんだったら誰も苦労しないか…。

今日はデートーーと言いたくないけれどーーで宇大と会うんだし、改めてちゃんと話をして婚約破棄へと持ち込もう!

「よし!」

世間から見たら迷惑行為このうえないのだが、一通り騒いだおかげか気持ちに整理がついた。

大股で歩いて待ちあわせ場所である駅前へと向かうと、宇大はもうすでにきていた。

「あの人、モデルさんかな?」

「かっこいいよねー」

世間は宇大を放って置かない、当たり前か。

青のチェック柄のシャツにブルージーンズ、スニーカーと言う彼の私服姿は、まさにモデルだ。

何となく近づくことができないし、宇大も気づいていない。

そう思っていたら、
「おっ」

私に気づいた宇大が嬉しそうに笑うと、こちらへ駆け寄ってきた。
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