寝取られたくて、彼氏を匂わせてみました
◇◇◇
そして私たちはお互いにシャワーを浴びた後、ベッドに隣り合って座っている。
「ごめん。すげぇ、かっこ悪い。これで振られても俺何にも文句言えないわ」
「いや、私も初めてだし、海成も初めてなんて思ってなかったから……」
「やっぱり。千春、彼氏いるとかデートとかウソだろ」
そっと見上げると、海成がいたずらっぽく笑ってる。
「いや……えっと」
「だってデートにカップ付きキャミとか着るか?」
「おっしゃる通りデスネ……」
「好きだよ。千春。ずっと好きだった」
そう言って、まだほのかに石鹸が香る唇を触れ合わせた。
「千春、返事は?」
「待って、ねぇ、私彼氏いないんだよ」
「ん? いないから何の問題もないだろ?」
「だって、それじゃあ寝取りにならないじゃん。海成、寝取りじゃないとダメなんでしょ。私に彼氏がいると思ったからこうして手を出してきたんでしょ」
「ごめん。何を言ってるのかわからない。寝取りとか関係なく、千春がずっと好きだったって言ってんの」
「寝取りは?」
「全然興味ないけど」
「じゃあ、あの実家の部屋にあった漫画は、いったい……」
「あの本棚の漫画、全部兄貴のものだけど?」
私のした今までの苦労は何だったんだ。私は思わずベッドから滑り落ち床にへたり込んだ。
でも、まぁ、めでたしめでたしってことで。
初めて同士のやりなおし……それはまた別の話。
<おしまい>
そして私たちはお互いにシャワーを浴びた後、ベッドに隣り合って座っている。
「ごめん。すげぇ、かっこ悪い。これで振られても俺何にも文句言えないわ」
「いや、私も初めてだし、海成も初めてなんて思ってなかったから……」
「やっぱり。千春、彼氏いるとかデートとかウソだろ」
そっと見上げると、海成がいたずらっぽく笑ってる。
「いや……えっと」
「だってデートにカップ付きキャミとか着るか?」
「おっしゃる通りデスネ……」
「好きだよ。千春。ずっと好きだった」
そう言って、まだほのかに石鹸が香る唇を触れ合わせた。
「千春、返事は?」
「待って、ねぇ、私彼氏いないんだよ」
「ん? いないから何の問題もないだろ?」
「だって、それじゃあ寝取りにならないじゃん。海成、寝取りじゃないとダメなんでしょ。私に彼氏がいると思ったからこうして手を出してきたんでしょ」
「ごめん。何を言ってるのかわからない。寝取りとか関係なく、千春がずっと好きだったって言ってんの」
「寝取りは?」
「全然興味ないけど」
「じゃあ、あの実家の部屋にあった漫画は、いったい……」
「あの本棚の漫画、全部兄貴のものだけど?」
私のした今までの苦労は何だったんだ。私は思わずベッドから滑り落ち床にへたり込んだ。
でも、まぁ、めでたしめでたしってことで。
初めて同士のやりなおし……それはまた別の話。
<おしまい>


