海とキミ。



(ヴーーー、)


ポケットに押し込んであった携帯がなった。



すぐに現実に引き戻される。



「…そろそろ帰らなきゃね。」



重なった手が力強くなるのを感じた。



私は握り返さなかった。


握り”返せなかった。”



「…ねぇ、また来れるかな。」



不毛な質問かもしれない。

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