iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
え?

目を上げるとテオの瞳がまだわたしを見つめていて、そしてもう一度顔が近づいてきたかと思うと、唇が重なった。

キス?

そのやわらかな感触ははじめてのもので、けれど、とてもあったかくて心地いい。

わたしはそのまま固まっていたにちがいない。
真っ白な頭をかかえてどうしようかと混乱していたら、口の中に温かいにゅるりとした感触が…

なっ!テオ!!
混乱の極みだ。
イキナリすぎるよ。テオ!
テオは免疫あるかもしれないけど、わたしはないのよっ!

テオが唇を離した時には頭がぼーっとして身体の中心がポッポと燃えてるみたいな感覚に陥っている。

「莉奈。うまくできるかわからないけど…抱いていい?」

うまくできるかってどういう…?

ハテナな顔をしてるとテオが恥ずかしそうに笑う。

「僕、経験ないよ。」

「え?ええーっ!」

思わず声に出てしまった。

「莉奈はあるかもしれないけど…」

「ないっ!ないです。あるわけないよ。それよりテオ。噂になってた、ほら、あの…いっぱいいたじゃない…」

「あんなの噂だけで。今まで誰かと付き合うとか思ったことなくて…莉奈がはじめてだから…。」

このビジュアルNo. 1アイドルテオ様が23歳で童貞?なんて誰が信じる?

「間違えたことしたらすぐ言って。がんばるから。」

「って言われてもわたしも…経験ないから…。」

「じゃ。2人でがんばってみよ?ね?じゃ最初はお風呂から。」

「ま、待ってよ。テオ。お腹空かないの?」

「すいた。けど莉奈とやってみたい。」

「は?もうっ!テオ!」

………
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