iDOLの恋人～好きになった人は超有名人でした～

それはさておき、お父さんから呼び出しとはいったい何なのやら…

午前中にオリンピックの短距離選手くらいの速さで仕事を片付け、午後の仕事は三澤くんに任せて社長室に向かう。

社長室ではお父さんは「おっ莉奈。」と声をかけただけでそのまま着いてくるよう言われるがままに従った。

そして着いたのがどうやら…撮影場のようだ。

もしかして…？

テクテクと無言で中に入って行くお父さんに着いて行くしかないけど、どう見てもこれは…

ああ…
やっぱり…

「やぁ。どうだい？進んでる？」

お父さんにはオーラがあると思う。
大会社の経営者としてのオーラだ。

こういう時そのオーラは最大限に発揮される。

「社長！来ていただけたんですね。」

ワラワラといろんな人間がお父さんの周りを取り囲む。

「撮影は順調ですよ。彼らはプロですから。」

「結城グループはじめてのお菓子メーカーと伺ってます。絶対いいもの撮りますから！」

皆口々にアピールしようとする。

わたしはお父さんの横に陣取る秘書の室田さんの後ろでできるだけ目立たないように控えていた。

お父さんの肩越しに撮影中のSEVEN EYESを見ながら…