iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
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なんか…
見せつけられた気がした。

莉奈が僕とは違う世界の…人間だと。

僕なんか手の届かない世界。

ジュリがまた煽るようなことをするから余計に…。

ホテルに戻る車の中でジュリに詰め寄ったら、

「バカじゃねーの?」

と一蹴された。

「莉奈がどういう人間かわかって付き合ってんだろ?莉奈と僕達じゃ全然立場も違うし、背負ってるもんも違う。あーいうことこれからもいっぱいある。それがわかんねーなら付き合うな。」

「ジュリ!やめろ。」

リーダーが怒ったけど僕は「いいんだ。」と項垂れた。

「言っとくけど、莉奈不幸にしたらいくらテオでも許さない。アイツは俺の…初恋だからな。」

最後は日本語で言った。

びっくりして顔上げてジュリ見たけど、ジュリは車の窓の方を向いている。

ホテルについてから部屋をウロウロしたけど、どうしても会いたくて、マネージャーに頼み込んで莉奈のところに連れて行ってもらった。

服すら着替えてなくて、バレないようにロングのサッカー用のグランドコートを羽織って。

莉奈と自分の違いに打ちのめされてるくせにそれでも莉奈に会いたかった。

だって莉奈は…
莉奈は…

僕の…

彼女だ。
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