iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
画面にテオとユナが手をつないでおり、年配の男女2人にテオが頭をさげている写真が映し出されたのだ。

なんかわからないけど、胸騒ぎがした。

その写真は白黒だったし、ぼやっとしていて輪郭もわかりにくかったけれど、テオを見間違えるわけはない。これは間違いなくテオだ。
服だって靴だってテオのものだ。
テオがプライベートでユナと手をつなぎ、年配の夫妻のような人に頭をさげている。
そこに映ってるテオはホンモノの真摯な対応をしている時のテオだ。

ミン・ユナとの関係が真摯なものだという証明のような気がした。

不安がかすめる。
テオとわたしの愛は本物だと打ち消そうとするが、1か月に1回しか会えない恋愛。その不安定さがわたしの猜疑心をあおりたてる。

そのままもんもんとした状態でタクシーでテオのマンションへ直行し、マンションへ入ると、リビングに直行し、そこにあった見慣れたソファにドシリと腰を下ろした。

テオのにおいが鼻をくすぐり、そのクッションに顔をうずめる。

テオ…わたしたち大丈夫だよね?

海外出張の連勤でかなり疲れていたわたしはそのままソファで眠りこけてしまったらしい。
突然嵐のように鳴り出したインターホンで目が覚めた。

さっきから何度もインターホンが鳴り続けている。
何だっていうのか。

しかもかなり長い時間寝てしまっていたのかすでにもう夜の9時ではないか。
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