iDOLの恋人～好きになった人は超有名人でした～

基本的にこちらではインターホンが鳴ってもわたしは出ないのだが、ここまで鳴らされると気になるっていうものだ。マンションのエントランスホールを映す画面をのぞき込んでみた。

するとそこにはひとりの女性が立っている。

あ…この人…。
ドキンと心臓が鳴った。

と、そこへ、帰宅したらしき男性が後ろからやってきた。テオだ。

と、その女性がテオに抱きついた。
テオがのけぞるようにして、手でその女性を押し返そうとしているように見えたけど、なんとなくそれは恋人同士がじゃれあっているように見えなくもなくて…わたしの心はざわざわと揺れた。

やだ。
テオ…。

見たくなくて、画面から視線をそらし、ソファにダイブする。

テオが他の女性とだなんて、嫌…。

もんもんと考えているうちに玄関ドアをガチャガチャと開ける音がしている。
テオが帰ってきたのだ。

そして1分も経たないうちに、リビングの扉が開いた。

テオと…そしてその女性、ミン・ユナがそこにいた。