極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
太郎さんの車でマンションに送ってもらい、２人で帰ってきた。

「仕事は大丈夫なの？」
私のせいで仕事を放り出してきたんじゃないかと心配になった。

「今日は早退させてもらったから気にしなくていい。上からも有休を消化しろって言われているしね」
「そう」


部屋に入ると、朝出かけた時のままの状態。
決して散らかっているわけじゃないけれど、タロウのケージ周りを中心に少し汚れている。

「美貴さんはこのまま横になって」

いつもの日課でタロウの世話をしようとして、太郎さんに止められる。
でもな、ワンちゃんはきちんと世話をしないといけないから。

「これだけしたら横になるわ」
そう言ってゲージに近づこうとしたのに、

あっ。
急に腕を引かれた。

「横になりなさいって言ったでしょ？ベットに行く、それともソファー？」
「ソ、ソファーに」

まずいぞ、今日の太郎さんはとっても機嫌が悪そう。
なんだか波乱の予感。
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