極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「この子、どうするんですか？」

公園から数分歩きやって来た高層マンション。
あまりの高さに首が痛くなるくらい見上げていると、男性に聞かれた。

この子ってワンちゃんのことよね。
そういえば、先のことを考えてなかった。
やっぱりマンションってペット禁止かしら。
考えていたら、足が止まった。

「どう、しました？」
「いえ、動物を中に入れたらマズイですよね」

ワンちゃんを連れたままついてくるなんてやはり図々しかったかなあ。

「いいんですよ、ここはペットOkですから」
「でも、いきなりは・・・」
「大丈夫です。行きましょう」

まるでホテルのエントランスのような入口を抜け、フロントにいたスタッフと言葉を交わした後、男性はエレベーターへ私をワンちゃんと誘導した。
それにしてもすごいなあ。
外から見ただけでも30階以上はありそうだったし、このエレベーターだって高級ホテルのような仕様。
この人、ただものじゃない。

そうこうしているうちにエレベータは目的のフロアへと到着した。
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