極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
診察が終わると、太郎さんの車に乗せられた。
どこに向かうとも告げられないまま、着いたのは私のマンション。

「お店の戸締りは沙月さんにお願いしたからね」
「うん」

さすがにここまでは想定内。
いくら出血が止まっているとはいえ、体調の悪い私をお店に戻してくれるとは思っていない。

「何かもって行くから、ベットで休んでいて」
マンションに帰ると太郎さんはキッチンに向かった。

「ソファーでいいわ。眠くないし」
「ダメだよ。今日はベットで大人しくしてなさい」

ええーって思ったけれど、言わなかった。
今回の体調不良は無理をしすぎた私が原因。
全ては私の責任だから。


おとなしくパジャマに着替え、太郎さんが入れてくれたホットミルクを飲んで、私はベットに横になった。
しばらくしてベットのすぐ隣に椅子を持て来た太郎さんがパソコンを片手に腰を下ろした。
どうやらここで仕事をするつもりらしい。

「ごめんね、心配かけて」
「本当だよ」

あれ、太郎さん怒ってる?
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