極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
ピコン。
それから2時間も待ってやっと届いたメッセージ。

『ねえお兄ちゃん、美貴さんと話が弾んでしまったんだけど。このまま家に泊めたらダメかなあ?』

『ダメだ。迎えに行く』
待つことに限界を迎えていた俺はすぐに立ち上がった。

美貴さんと真理愛が仲良くなることに反対するつもりは無い。
二児の母として子育てする妹は、彼女にとっていい相談相手になれるのかもしれない。でも、今は俺と話をするのが先だろう。
何しろ彼女は黙って俺のもとから逃げんだから。

「もう遠慮はしないし、逃がさない」
車のキーを持ちマンションを駆け出す俺。

生まれ育った地元にいるせいで地が出たんだろうか、勝手に出て行ってしまった美貴さんに腹が立っているのだろうか、とにかく我慢の限界を迎えた俺は久しぶりに怒っていた。
< 169 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop