極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
太郎さんと私の会話はこの後も平行線で着地点の見えないまま、随分長いこと話し合いをした。
それでもお互い納得には至らず、
「少し時間を置いてから改めてもう一度会いましょう。それまでにお互い冷静に考えてみましょう」
と言うことで落ち着いた。

私に言わせれば時間を先延ばしたところで何も変わらないと思うけれど、太郎さんが納得しない以上頷くしかなかった。


「ねえタロウ、困ったわね。どうしようか」

今度はタロウを連れて彼のマンションに行く約束になっている。
まだはっきりと日程を決めたわけではないけれど、自宅を知られているからにはいつまでも逃げ続けることはできない。
何とかして太郎さんに諦めてもらうしかないんだけれど・・・
頭がいい太郎さんに、論戦で勝てる気が全くしない。
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