迷信を守らず怪異に遭遇し、必死に抵抗していたら自称お狐様に助けてもらえました。しかし払う対価が、ややエロい件についてはどうすればいいのでしょう。

交差する想い(四)


 自分で自転車を押すより、確実に早くさなちゃんの家についた。

 田舎なだけあり閑静な住宅街とはほど遠い。

 昔ながらの長屋の隣に、比較的新しい二階建て一軒家の家だった。

 白い壁はやや色を変えてはいるものの、回りの家たちとはやはり造りが違う。

 ただ、元は手入れさせていたであろうガーデニングたちは雑草が生え、ガレージも空だ。

 外から見える大きな窓はカーテンがかかっていて中をうかがうことは出来ない。


 ここまで来て、その家族が果たしてここに住んでいるのだろうかと疑問が頭をよぎる。

 あんな事故があって、しかも現場はこの家からも目と鼻の先だ。

 ここで生活をすれば否応なしに、あの場所を通らなければならないだろう。


 もしそれが自分の立場だったら……。
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