4番目の彼女

7.会いたくない

◇◇◇◇


 あぁ、泣き疲れてふて寝した翌朝の顔というのは、どうしてこんなにブサイクなんだろう。
 私の仕事場が倉庫の隅にある筆耕室でよかった。誰にも会わずに黙々と作業ができる。冷たいおしぼりが気持ちいい。

 現在行っているのは年賀状の宛名書き。一枚書いては乾かすため、年賀状を『かるた』のようにずらっと並べて置いていく。私が一日に書ける宛名は約80件、がんばったら100件はいける。

 宛名書きが忙しい時期でよかった。何も考えずにただひたすら文字を書いていれば時間が過ぎる。

 ”きぃちゃん、今夜は?”

 お昼に来たメッセージの返信をしないまま終業時刻になってしまった。
 けど、今夜は会うのが怖い。昨日の女ことを問い詰めてしまいそうだから。

 そんなの『4番目の女』失格すぎる。


 私は決心が鈍らないように返信した。

 ”ごめん。しばらく仕事忙しいから、年末まで時間取れなさそう”

 すぐに、パンダがしょぼんとしたポーズのスタンプが来たけれど、そのまま返信はしないでおいた。
 うん。これでいい。しばらく会わなければ、落ち着いた気持ちで会えると思うんだ。
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