王室御用達の靴屋は彼女の足元にひざまづく
智恭が彼女の手を握りこんでくる。
「なんというか……別世界だった」
智恭が初めて会った日に言った意味が、ようやくわかった。
夢見心地よりは夢見が悪かったような顔をしている晴恵を男はじっと見つめた。
「俺は靴職人に過ぎない」
智恭が静かに言う。
「だが、俺は自分の作る靴に誇りと自信を持っている。評価を怖じたりはしない」
彼は誰に請求する時も日当や材料費を含めた、極めて真っ当な値段しか請求しない。
『靴の評価には到底足りない。トモに恋人ができたとき、服をプレゼントしよう』
ルネみずから提案してきたという。
ルネは智恭の靴に惚れ、人物に惚れた。
それは智恭が靴を通して真摯に顧客と向かい合った結果なのだ。
「うん」
晴恵も智恭の手を握り返す。
そうだ、自分は職人としての男に惚れたのだ。
あとは晴恵がどうしたいか。自分に問えば、すぐに答えが出た。
「私は智恭と一緒にいたい」
「ああ」
智恭が指を絡めてきた。
「でも、今日みたいなビッグプレゼントはほどほどにしてね」
反応がないので彼を見上げたら、思い切り明後日の方向を向いている。
「なんというか……別世界だった」
智恭が初めて会った日に言った意味が、ようやくわかった。
夢見心地よりは夢見が悪かったような顔をしている晴恵を男はじっと見つめた。
「俺は靴職人に過ぎない」
智恭が静かに言う。
「だが、俺は自分の作る靴に誇りと自信を持っている。評価を怖じたりはしない」
彼は誰に請求する時も日当や材料費を含めた、極めて真っ当な値段しか請求しない。
『靴の評価には到底足りない。トモに恋人ができたとき、服をプレゼントしよう』
ルネみずから提案してきたという。
ルネは智恭の靴に惚れ、人物に惚れた。
それは智恭が靴を通して真摯に顧客と向かい合った結果なのだ。
「うん」
晴恵も智恭の手を握り返す。
そうだ、自分は職人としての男に惚れたのだ。
あとは晴恵がどうしたいか。自分に問えば、すぐに答えが出た。
「私は智恭と一緒にいたい」
「ああ」
智恭が指を絡めてきた。
「でも、今日みたいなビッグプレゼントはほどほどにしてね」
反応がないので彼を見上げたら、思い切り明後日の方向を向いている。