ライム〜あの日の先へ
「やめてくれよ、一成」
『五嶋社長、我々はいつでも社長の味方。応援しています。それだけは忘れないでください。
社長はご自身が進む道をただ真っ直ぐに』
「一成、そんな寂しいこと言わないでくれよ!」
『お元気で。一条の御令嬢と末長くお幸せに』
プツリと切れた電話。それきり、一成との電話は繋がらなくなった。どうやら着信拒否されてしまっているようだった。
一成と鈴子だけは、何があっても味方でいてくれると思っていた。それが、こんなふうに一方的につきあいを切られてしまうなんて。
零次は今ほど自分の立場を呪ったことはない。
だが、一成の気持ちは痛いほどにわかる。沈みゆく船に乗っているのは一成も同じだ。しかも、一成には守るべき妹もいるのだ。
零次はもう一度、鈴子に電話をかける。だが、無情にも聞こえてくるのは電波が届かないか電源が入っていないというアナウンスの声だけだった。
『五嶋社長、我々はいつでも社長の味方。応援しています。それだけは忘れないでください。
社長はご自身が進む道をただ真っ直ぐに』
「一成、そんな寂しいこと言わないでくれよ!」
『お元気で。一条の御令嬢と末長くお幸せに』
プツリと切れた電話。それきり、一成との電話は繋がらなくなった。どうやら着信拒否されてしまっているようだった。
一成と鈴子だけは、何があっても味方でいてくれると思っていた。それが、こんなふうに一方的につきあいを切られてしまうなんて。
零次は今ほど自分の立場を呪ったことはない。
だが、一成の気持ちは痛いほどにわかる。沈みゆく船に乗っているのは一成も同じだ。しかも、一成には守るべき妹もいるのだ。
零次はもう一度、鈴子に電話をかける。だが、無情にも聞こえてくるのは電波が届かないか電源が入っていないというアナウンスの声だけだった。