ライム〜あの日の先へ
「午後も、頑張ってくるね!」

お弁当を平らげ、鈴子は満面の笑みで飛び出していった。
無垢でキラキラと弾けるような子供らしい笑顔に、一成も零次もホッとする。


「ありがとな、零次。小学生の運動会なんかにつきあってくれて」

友達と合流して元気よく児童席に戻っていく鈴子の小さな背中を見守りながら、一成が言った。
中学三年生にもなれば、他に楽しい休日の過ごし方があるはずだ。それでも、早朝の慣れない弁当作りから手伝ってくれた零次に感謝でいっぱいだった。



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