ライム〜あの日の先へ
「……っ」

鈴子の言葉は、零次の心に深く刺さった。スケープゴートとして捨て駒にされる運命の零次の味方。応援してくれて、大好きだといってくれるかわいい鈴子。その無償の愛が今の零次には何よりも欲しかった。

もう、自分を抑えられなかった。

零次は鈴子をぎゅっと力込めて抱きしめた。

「零次くん?」

苦しいといいかけた鈴子の唇は零次の唇に塞がれた。息もできないほど激しく求めてくる唇に戸惑いながらも、もしかしたらと期待が生まれる。

「鈴子。君をこのまま連れて行く」

こんな強引な零次を知らない。大人の余裕たっぷりの零次しか知らない。

でも、いい。きっと、これも彼の一面なんだと思う。

「着替えくらい…」
「俺の服着てればいい。必要なものは後で取りに帰ればいい。
たった一週間。仕事に費やす時間も考慮すれば、一緒にいられる時間なんてほんのわずかだ」

鈴子の恋心を、受け取ってくれた。



その時の鈴子にとって零次だけが全てだった。

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