社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
「この世界はきっと夢ですよ」
唐突にそんなことを言い出した八十島を将臣と武者小路が、
「は?」
と振り返る。
「どうした、中二病か。
学生時代、真面目にやりすぎて、今か」
と将臣に言われてしまったが。
いや、この世界は絶対に、夢まぼろしか、異世界だ。
どうも武者小路も嵐山を好きな気がする。
社長と武者小路。
こんないい男二人があれを好きとかない。
そして、そのことに、この俺が苛立ってるとか、もっとない。
そう思っていた。
……大丈夫だ。
俺は微笑ましげに嵐山を見ている武者小路とは違う。
俺はちゃん、と蔑むようにあいつを見ている!