社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
 


「この世界はきっと夢ですよ」

 唐突にそんなことを言い出した八十島を将臣と武者小路が、

「は?」
と振り返る。

「どうした、中二病か。
 学生時代、真面目にやりすぎて、今か」
と将臣に言われてしまったが。

 いや、この世界は絶対に、夢まぼろしか、異世界だ。

 どうも武者小路も嵐山を好きな気がする。

 社長と武者小路。

 こんないい男二人があれを好きとかない。

 そして、そのことに、この俺が苛立ってるとか、もっとない。

 そう思っていた。

 ……大丈夫だ。

 俺は微笑ましげに嵐山を見ている武者小路とは違う。

 俺はちゃん、と蔑むようにあいつを見ている!
< 366 / 477 >

この作品をシェア

pagetop