How To Love



昴はこうしてあちこちへキスをする。引っ越しをしてからは特に増えたと思う。顔中に唇が落ちてくるし、頭や耳、首筋へとチュッとしたり、甘く噛んだり、舐めたり…その都度私はドキドキして、体温が上がって胸が苦しくなるんだ。

昴は私の様子に気づいていると思うけど、何も言わず、ただ優しく背中、腕、腰を撫で

「樹里…好きだよ」

それだけ何度も伝えてくれる。そしてそれが、また私を熱くする。こんな感覚は初めてで、どうしていいのか分からず…ただ私は熱に魘されている。起きているのに寝ているかのように頭がふわりとし、座っているのに立ち眩みしたように頭がぶわんと大きく揺れる。

今日も二人で食事して、彼は帰り際

「明日は僕も休みだから、何時でもいい…樹里の好きな時間に来てね。でもあまり遅いと迎えに来るよ」

そう言い、チュッと唇を重ねてから狭い部屋を数歩で玄関まで行く。そしてさらに狭い玄関で靴を履くと

「何時でもいいから…早く来てね、樹里」

言い終わったかどうかのタイミングで唇が重なり、彼の舌が柔らかく私の唇をなぞると…そっと口内に侵入する。その舌はゆっくりと下の歯茎の内側をなぞったあと私の舌を絡め取った。
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