How To Love



「それ以来、樹里を見守ってきた。ターシャが亡くなってちょうど2年くらいだろ?今年、樹里に名乗り出るというか…アプローチ開始するつもりでいたのに、偶然年末にあんな形でリンクしてしまった」

これで全貌が明らかになったのだろう。輔が私を知っていることとストーカーの件がわかったのだから。

「やっと肩の力が抜けたね、樹里」
「えっ?そうですか?」
「今まで俺のこと不審者のように見てたから」
「うそっ…」
「うそ」
「ひどい」
「天使の目っていくつもあったりするだろ?そういう目で見てたよね…俺の本質を見極める雰囲気」
「…それって…失礼ですよね…すみません」
「失礼じゃないよ。それは天使の樹里が持ってる本質。欠いてはいけないところ」

普通の会話中、こんなに自然に天使と何度も言う人がいるんだ…容姿的に違和感がないところもすごい。この人は本当に最高位天使なのかもしれない。

ずいぶん長時間話し込んでしまった。時計を見ると10時半を回っている。

「3時間以上いました?」
「そうだね。全然話し足りないけど今日は送るよ。ひとつ聞いていいかな?」
「はい」
「さっき家族に連絡すると言っていたのは、どなたか聞いても?」
「ああ…伯母です」
「そう。もうひとつ聞いても?」
「ふふっ…ふたつ目までだけですよ、どうぞ」
「付き合っている人はいる?いない?」
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