How To Love



「…いません」
「よしっ…じゃあ…」
「もう、本日の質問受け付けは終了致しました」
「質問はしないよ。連絡先教えて」

スマホを私に差し出す彼に

「ストーカーの件は何度もありがとうございました」

そう言い頭を下げる。

「もう十分聞いたよ」
「…連絡先の用途は?」
「当然天使を落としにかかるんだけど?」
「…」
「教えてくれないなら職権乱用するだけだ」

輔は王子の微笑みを王様のそれに変化させた。

「天使を落とすというのは…羽をもぎ取ると?」
「まさか。紙の脆い羽をもっと自由に羽ばたける羽にしてあげる。そして羽を休めるために俺の胸に降りておいでよ、樹里」

とても魅力的な言葉だ。

「それは、輔と私がお付き合いするという意味ですか?」
「そうだね。4年間想い続けた…その想いを実らせたい。俺と付き合って欲しい」
「私も輔も天使だとすれば…プラトニックなお付き合いでお願いします」
「俺は樹里に触れられない?」

輔は小首を傾げて不思議そうに私の瞳を覗いた。
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