How To Love
天使に会えたけれど
「私も輔も天使だとすれば…プラトニックなお付き合いでお願いします」
俺のアプローチの予定は狂ったが、どんな形であれ俺の天使が目の前で俺に話している。まず、そのことに感謝と感激が抑えきれそうにない。
俺の天使は原田樹里24歳。20歳の時に毎日ロシア人祖母の入院見舞いに病院に来ていたときには、すでに俺の会社のアルバイト店員だったという運命。
だが、付き合いを了承するにあたり、わざわざ‘プラトニック’と死語のようなものを付け加える意味は?
樹里が俺を認識したばかりで、俺のように好きだとか恋に落ちるだとかいう気持ちを抱いていないことは重々理解しているが…付き合ってもいいと思えるのは俺に嫌悪感はないのだろう。今後好きになれそうだと思ってくれているのだと都合よく解釈する。
それなのに、その先を拒絶するような言葉。さて…どう読み取らせてもらおうか?何らか理由はあるのだろうけれども今はそれで構わない。天使は性別を持たないものだから…
今後、生涯俺が愛でる間に、天使は女に変わるはず。俺に堕ちてこい、樹里。