排球の女王様~私に全てを捧げなさい!
王者を倒す秘策とは?

 *

 先週から狼栄を倒すため、エース大崎大地の研究をしてきた。大崎は正確なジャンプサーブをくり出してくる。威力もさることながら、コースも決めてくる。そして、大崎が怖いのはジャンプサーブだけでは無い。脅威とも言えるスパイクだ。高校生であれだけ打てる選手は、そういないだろう。ここぞと言う時には必ず得点を決めてくる辺りが、スーパーエースと言われる所以だ。しかもサラサラの黒髪に爽やかな笑顔のイケメンときている。何でも他校にファンクラブまであるとか……。まあ、そんなことはどうでもいい。

 189㎝の身長から繰り出されるスパイクは本当に強烈だ。だが、早いボールにはなれることが出来る。ともかく、なれるしか無い。そして私達は強烈なサーブとスパイクに対抗するための秘策を使って、練習をしてきた。

「ほら、みんな最後のアップ始めるよ」

 莉愛の声に、みんながレシーブの姿勢をとった。



 そして……。



「ドゴンッ」




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