青春の備忘録

1月──応援し励まされ

 「明けましておめでとうございます。じゃあね、これからは模試も増えてくるということで、ガンガン模試対策していきましょう」
 年明け最初の課外授業は、元旦のゆったりした日々を忘れさせるほどの忙しさを思い出させた。
 目の前に冊子になった模擬試験の用紙が配られる。
 「始め」
 模擬試験の練習の始まりである。
 暖かい部屋の中で長い文章を読んでいると、だんだん眠くなって頭が働かなくなってくる。
 眠気を吹き飛ばして頭を冴えさせるために、窓の外を眺めてみる。
 坂を走っている運動部がいる。
 「……!」
 練習をしていたのは、いつも「向かい側」の廊下で話している野球部だった。
 冬練を頑張っている彼らを見て、私も頑張ろう、とシャープペンシルを握り直した。
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