美しき微笑みのあの人に恋をした。
「お待たせ。」



(わっ!)



今日の海斗さんは、スーツを着ていた。
いつもと雰囲気が違ってカッコイイけど、距離が出来たみたいでちょっと寂しいような気もする。
まさか、お別れだから?



「これから晩御飯を食べようよ。」

「はい。」



タクシーが着いたのは、海辺沿いの小洒落たレストランだった。
私、こんな服装で良かったのかな?
とりあえず、それなりのおしゃれはして来たけど。



「凛宮司様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」



案内されたのは、窓際の席。夜景が海に反射してとても綺麗。
プロポーズでもする時に良さそうな、ロマンチックなロケーションだ。
だけど、プロポーズであるはずがない。
きっと、今までのお礼に、こんな素敵な所に連れて来てくれたんだね。
とりあえず、最後の感想の文句じゃなさそうだから、ほっとした。



「乾杯!」

シャンパンのグラスを合わせて乾杯する。
マスクを外してるから、海斗さんの顔が直視出来ない。



「あぁ、うまい。
このところめちゃめちゃ忙しかったから、なんかホッとするよ。」



は?ニートなのに、忙しいって、一体、何が?
ゲームでもやってたのかな?



「忙しかったんですか?」

「うん、今回はかなり無理したよ。」

えっ…!?まさか、今日ここに来るためにバイトでもしてくれたの?



「バイトですか?」

「いや…一応、本業…かな。」

何?海斗さん、ニートじゃなかったの?
本業って、一体…
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