美しき微笑みのあの人に恋をした。
「あぁ、ごめん。言ってなかったけど、僕、一応、漫画家なんだ。」

「えっ!?」

ニートじゃなくて漫画家?
あぁ、自称漫画家ってこと?



「まだ一作しか出てないしね。」

えっ!一作はすでにどこかに出てるの?
漫画サイトかなにか?
とりあえず、そりゃすごい。



「どこに投稿されてるんですか?」

「投稿っていうか…
『魔導の聖剣』っていう漫画なんだ。」



魔導の聖剣?
確か、今、大ヒットしてる漫画によく似たタイトルだね。
パクったのかな?
投稿してないってことは、同人誌かなにか?



「そうなんですね。
コミケとかで売られてるんですか?」

「いや、普通の本屋だよ。」

えっ!普通の本屋に素人の書いた本なんて置いてるの?



「あ、そうだ。」

海斗さんは、バッグの中をゴソゴソして、一冊の本を取りだした。



「来月出るやつだよ。さっき、刷り上がったばかりなんだ。」



手渡された本は、よくあるコミックス。
『魔導の聖剣~導かれし王冠』と書いてある。
作者名は、凛宮司海斗。



(えっ…!?)



ちょっと待て…
今、大ヒットの漫画…あれ、何だっけ?
私は慌ててスマホで検索した。
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