デス・チケット
必死に両手両足をばたつかせて抵抗するが、私から魂にふれることはできない。


その場で無様に暴れているだけで、なんの意味もなかった。


大きく目を見開いた女性の顔が目の前にあり、恐怖で悲鳴が喉に張り付いた。


攻撃してくる気配はないけれど、こんな至近距離では霊気にやられてしまう。


私の全身は冷たい空気に包まれて寒気が止まらなくなってしまっていた。


「やめて、お願い……助けてタイセイ!!」


ピンチのときに思い出すのはここにはいないタイセイの顔だった。


目を閉じると楽しかったときのことを思い出す。


1年前の体育祭の時、私とタイセイは同じクラスで体育祭実行委員に選ばれてしまった。


もともと運動神経のよくない私がどうして選ばれてしまったのか、本当に気が重たかった。


だけどそんなときにタイセイが明るく声をかけてくれたんだ。


『大丈夫。実行委員会は運動しなくてもいいんだから』
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