終わり良ければ、せふれ良し。
その後、久しぶりに飲んだお酒が美味しかったのか追加で3杯飲んだリリーと、胸がいっぱいで食が進まず、お酒ばかり進んで酔っぱらった刺身は、終電を当然のように逃す。
酔っぱらいの2人はそのまま向かう先は、ラブホテル一択だった。


そこは流れのまま至ってしまう刺身とリリーであったが・・・・









「・・・・身体の相性めっちゃいいやん」









と情事後、刺身はリリーが隣で眠る夜中、感動のあまり、1人でこっそり泣いた。









完全に射止めたいが、リリーには脈がなく、心動かなかったようで。
「刺身、今いい感じのひといる?」
「いないかな」
「彼女は?」
「いないよ!」
「他にセフレは?」
「ん~・・・に、2、3人たまに会うくらい」
かなり動揺する刺身。
時たま噓をつき、時たま正直に答える矛盾が炸裂する刺身。
「おっけー!じゃあ、お互い誰かと付き合うまでは、わたしをセフレの中の1人に入れてよ。あと、友達で公務員いたら紹介して~!んじゃね~」と言われ、リリーと携帯番号を交換し、ご飯代とホテル代として手渡された2万円札を何度拒否しても無理やり渡してきるリリーに折れ、刺身は半泣きのまま朝帰りする。

刺身はその日中に中途半端にしていた女性には「付き合えません。本当にごめんなさい」と謝罪し、身体の関係があった子たちとも丁重に縁を切った。

その夜、リリーから電話がかかってくる。
どきどきしていた刺身が電話に出ると、「実家で一緒に暮らしている父親が再婚し、新しい奥さんが引っ越してくるから、家を出てほしいと言われている。どうしよう・・・」という内容だった。
刺身は「近々更新時期になる為、引っ越そうと思っていたが、今住んでいる2LDKに以前ルームシェアしていた友人が出て行き、部屋が1つ空いてるからそこに引っ越してこない?」とリリーにルームシェア(同棲し、あわよくばリリーを射止めて結婚したい)を提案した。
「え!?いいの!?・・・でも」
「友達としては気合うし、めっちゃ好きだけど、結婚したいとかのタイプじゃないから安心して!」と心を殺して伝える刺身。
「・・・最高の友達をもったよ、刺身!よろしくお願いします」

もしかしたら、新手の詐欺かもしれない。
もしかしたら、新手のパラサイトかもしれない。

半信半疑だったが、何とか射止めたい男刺身と、楽観幸運女リリーとのセフレ関係且つ、2人の騒がしくもゆるいルームシェアの幕が開ける・・・。
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