エリート課長の脳内は想像の斜め上をいっていた
終話.斎藤課長はハッピーエンドを迎える?
一時間後、エステ店から出て来た麻衣子は駅に向かって歩く途中でバッグの中からスマートフォンを取り出し、耳へ当てた。
『麻衣子さんっ!?』
かかってきた電話に焦って出たため、麻衣子がくすりと笑う。
急いで支払いを済ませ、カフェを出て全速力で麻衣子が居る場所へ向かった。
走って来た隼人に驚いた麻衣子は、どうして此処に居ることが分かったのかと問う。
「そんなことより、麻衣子さん、足は? 脱毛しちゃった!?」
「ちょっ、声が大きいっ」
人通りの多い駅前の大通りの歩道で「脱毛」と隼人が叫び、通行人の視線が二人へ集中する。
返答次第では、今にも抱き着いてきそうな雰囲気を放つ隼人の手首を掴み、麻衣子は細い路地へ彼を引っ張って行く。
路地に人通りがほとんど無いことを確認して、電信柱の影に隠れるようにして隼人と向き合い彼の手首を解放する。
「脱毛はしなかったよ。顔のお手入れをしてもらったの」
「あ、そういえば何時もより化粧が濃いかも」
よく見たら普段より濃い化粧をしている。
ムッとなった麻衣子は眉を寄せて隼人を見上げた。
「足、確認させて」
ひざ丈のスカートの中へ入り込み、レギンスのウエスト部へ触れようとする隼人の手を押さえて、麻衣子は彼の目をじっと見詰める。
「隼人さんは、私の足だけが好きなの?」
『兄貴の返答しだいで、麻衣子さんはもう戻ってきてくれなくなるぞ』
エステ店を調べたと電話してきた時の崇人のお節介な言葉が聞こえてきて、泣き出しそうな顔になった隼人は不安に揺れる瞳で見上げてくる麻衣子の頬に手を添えた。
「足の感触も好きだけど、思ったことが直ぐに顔に出るところと、美味しいものを食べると全身から幸せそうなオーラを出すところ、いつまで経ってもセックスの時に恥ずかしそうな反応をするところ、時々悶えたくなるくらい可愛いことを言い出すところ、麻衣子さんの全部が可愛いし好きだと思っているよ」
「私は……私も、隼人さんが好き。この前は、嫌いって言ってごめんなさい」
喉の奥から絞り出した麻衣子の声は震えていて、泣きたくなるのを堪えて口元をきつく結ぶ。
「じゃあ、じゃあ、お試し期間だけじゃなくて、これからも一緒にいてくれる?」
両想いだと跳び上がりたいのを堪えて問えば、両目いっぱいに涙を浮かべた麻衣子はコクリと頷いた。
「麻衣子さんっ」
感極まった隼人は堪えきれずに泣き出す麻衣子の体を抱き締めた。
お互い「ゴメンね」と謝り恋人となれたことを喜び、手を繋いで自宅マンションへ向かう。
二日前も同じように手を繋いでいたのに、麻衣子と手を繋いで歩いたのが随分前のことに感じる。
リビングへ入り我慢できず麻衣子に抱き着いた隼人は、彼女の首筋に顔を埋めて香りを堪能した。
「麻衣子、麻衣子さんっ」
「だめっ。ほとんど寝てないんでしょう? 今日はゆっくりしよう」
キスをしようと、顔を近付ける隼人の唇を人差し指で押しとどめ、麻衣子は微笑む。
「足のお手入れも明日にしてね」
上目遣いで言われてしまい、喧嘩をしてから仲直りするまでの間完全に萎えていた性欲が湧き上がり、股間に血液が集中していく。
「あー、もうっ可愛い! 可愛すぎて我慢できない。寝る前に少しだけ、先っぽだけでも入れさせて?」
「ぷっ、何言っているの。仕方ないなぁ。少しだけなら、その、いいよ」
十代男子のような隼人の発言で、吹き出した麻衣子の言葉の最後は恥ずかしさから小声になる。
「麻衣子さん、好きだよ」
「うん。私も隼人さんが好き、きゃあっ」
頬を赤く染めて好きと言われた瞬間、隼人の頭の中で理性の糸が切れる音が響いた。
麻衣子の肩と腰に手を差し入れて彼女の体を抱き上げ、向かうのはもちろん寝室。
「ちょっとー!?」
「はっ、ごめん、もう、止められない」
その後の展開は、先っぽだけでは終わらず夕方まで盛ってしまい、怒った麻衣子に足の手入れの禁止を言い渡された隼人が必死で謝る、というものだった。
『麻衣子さんっ!?』
かかってきた電話に焦って出たため、麻衣子がくすりと笑う。
急いで支払いを済ませ、カフェを出て全速力で麻衣子が居る場所へ向かった。
走って来た隼人に驚いた麻衣子は、どうして此処に居ることが分かったのかと問う。
「そんなことより、麻衣子さん、足は? 脱毛しちゃった!?」
「ちょっ、声が大きいっ」
人通りの多い駅前の大通りの歩道で「脱毛」と隼人が叫び、通行人の視線が二人へ集中する。
返答次第では、今にも抱き着いてきそうな雰囲気を放つ隼人の手首を掴み、麻衣子は細い路地へ彼を引っ張って行く。
路地に人通りがほとんど無いことを確認して、電信柱の影に隠れるようにして隼人と向き合い彼の手首を解放する。
「脱毛はしなかったよ。顔のお手入れをしてもらったの」
「あ、そういえば何時もより化粧が濃いかも」
よく見たら普段より濃い化粧をしている。
ムッとなった麻衣子は眉を寄せて隼人を見上げた。
「足、確認させて」
ひざ丈のスカートの中へ入り込み、レギンスのウエスト部へ触れようとする隼人の手を押さえて、麻衣子は彼の目をじっと見詰める。
「隼人さんは、私の足だけが好きなの?」
『兄貴の返答しだいで、麻衣子さんはもう戻ってきてくれなくなるぞ』
エステ店を調べたと電話してきた時の崇人のお節介な言葉が聞こえてきて、泣き出しそうな顔になった隼人は不安に揺れる瞳で見上げてくる麻衣子の頬に手を添えた。
「足の感触も好きだけど、思ったことが直ぐに顔に出るところと、美味しいものを食べると全身から幸せそうなオーラを出すところ、いつまで経ってもセックスの時に恥ずかしそうな反応をするところ、時々悶えたくなるくらい可愛いことを言い出すところ、麻衣子さんの全部が可愛いし好きだと思っているよ」
「私は……私も、隼人さんが好き。この前は、嫌いって言ってごめんなさい」
喉の奥から絞り出した麻衣子の声は震えていて、泣きたくなるのを堪えて口元をきつく結ぶ。
「じゃあ、じゃあ、お試し期間だけじゃなくて、これからも一緒にいてくれる?」
両想いだと跳び上がりたいのを堪えて問えば、両目いっぱいに涙を浮かべた麻衣子はコクリと頷いた。
「麻衣子さんっ」
感極まった隼人は堪えきれずに泣き出す麻衣子の体を抱き締めた。
お互い「ゴメンね」と謝り恋人となれたことを喜び、手を繋いで自宅マンションへ向かう。
二日前も同じように手を繋いでいたのに、麻衣子と手を繋いで歩いたのが随分前のことに感じる。
リビングへ入り我慢できず麻衣子に抱き着いた隼人は、彼女の首筋に顔を埋めて香りを堪能した。
「麻衣子、麻衣子さんっ」
「だめっ。ほとんど寝てないんでしょう? 今日はゆっくりしよう」
キスをしようと、顔を近付ける隼人の唇を人差し指で押しとどめ、麻衣子は微笑む。
「足のお手入れも明日にしてね」
上目遣いで言われてしまい、喧嘩をしてから仲直りするまでの間完全に萎えていた性欲が湧き上がり、股間に血液が集中していく。
「あー、もうっ可愛い! 可愛すぎて我慢できない。寝る前に少しだけ、先っぽだけでも入れさせて?」
「ぷっ、何言っているの。仕方ないなぁ。少しだけなら、その、いいよ」
十代男子のような隼人の発言で、吹き出した麻衣子の言葉の最後は恥ずかしさから小声になる。
「麻衣子さん、好きだよ」
「うん。私も隼人さんが好き、きゃあっ」
頬を赤く染めて好きと言われた瞬間、隼人の頭の中で理性の糸が切れる音が響いた。
麻衣子の肩と腰に手を差し入れて彼女の体を抱き上げ、向かうのはもちろん寝室。
「ちょっとー!?」
「はっ、ごめん、もう、止められない」
その後の展開は、先っぽだけでは終わらず夕方まで盛ってしまい、怒った麻衣子に足の手入れの禁止を言い渡された隼人が必死で謝る、というものだった。