こんなのアイ?
悠衣の車に乗ると彼は不機嫌な声で聞いてくる。
「飯は?」
「もう食べた」
それだけで黙り込み、車は私が歩いた道を引き返す。悠衣のマンションまで無言で到着し
「あの…悠衣?」
と声をかけると彼は
「飯食う、付き合え」
それだけ言い私に珈琲を淹れると、自分は寿司折りを広げる。
「美味しそうだね」
「仕事先で配られた。どれか食う?」
「ううん、お腹いっぱいなの。ありがとう」
「何食った?」
「えっと、牛とごぼうのしぐれ煮と酢の物とか和食」
「ふーん」
なんなんだ。さっきは克実がふーんと言い、今度は悠衣がふーんと言う。まあいいか…珈琲美味しい、体冷えてたな。お寿司を食べ終えた悠衣は
「体調はどうだ?」
と聞いてきた。
「問題ないよ、ありがとう」
「熱だけじゃなく、体どこも問題ない?」
「…ない」
自分で赤面するのがわかり余計に恥ずかしくなる。