こんなのアイ?



 なるほどバツ2の私が結婚式に参列すると縁起が悪いと…納得の言い分だ。

「そうだね…その日は参列できないけど、陰ながら一華の幸せを願っておくね」

 そう微笑み二人とは分かれたのだが、2回の離婚というのはこういうところでジワジワとボディブローのように効いてくるのか。普段の生活では特に何も感じることはないが…でも疑い深くはなったよね。さっきのバーでもそう。椅子を支えてもらった親切さえも素直に受け止められないのは元夫たちの浮気のせいだ。

 そういえば紗綾の転職先が‘イケオジ天国’と言ってたな。一華がイケオジの定義を熱く語って面白かったけど…バーのあの二人はまさにそうよね…いや、ちょっと年齢が若いかな?オジサンでなかったら、ただのイケメンと紗綾が言っていたのが腑におちた感じだわ。

 今夜の事を思い出しているうちにマンションに到着する。二人目の夫の両親が息子の度重なる不貞行為を詫び離婚時に、家業の不動産会社の持ち部屋から選ばせてくれ私名義のものとして引き渡してくれた。親が詫びるなんてと思ったが今後自分一人で生きていくに当たって大きな財産だ。遠慮なく気に入った1LDKを選んだのがここだ。月々の家賃支払いがないというのは日々の余裕に繋がりありがたい。

 駅近で二人暮らしが可能な広さがある1LDKの城を解錠した私は

「ただいま」

 空っぽの部屋の空気を揺らした。

 湯船に湯をはりながらブラウスを脱いでいると、なんとなく小さくつけているニュース番組から天気予報が聞こえる。明日明後日とも行楽日和…ね。お風呂が沸きました♪という電子音を聞きながら手早くメッセージをひとつ送りバスルームへ向かった。
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