こんなのアイ?




 私のオムハヤシとブレントのビーフシチューが運ばれてくると思わず笑ってしまった。

「うん?何がおかしい?」
「ごめん、おかしくはないんだけどね…ふふっ、ブレントがパンじゃなくてライスを迷わず注文してたなって今になって気づいたのよ」
「日本ではライスだよ。米が美味しいからね…じゃ」
「「いただきます」」

 二人揃って手を合わせるのも何回目かな…

「ふわふわ玉子美味しい…これが家で出来ない」
「愛実のオムライス美味しかったよ。あれにケチャップでLOVEって書いてくれたら写真撮って保存だね。次回期待してるよ」

 完璧なウインクをしたブレントに

「難易度高めだね」 

 と返すと今度は

「肉柔らかくて美味しい。愛実食べてみるよね…肉好きだもんな」

 と自信満々に私に肉を差し出してくる。否定は出来ない。シチューが垂れないよう大きな口を開けて差し出された肉を頬張る。

「ぉいし…」

 モグモグしながらお行儀悪く話す私の口元にブレントの手が伸び、彼は指で私の唇を撫でその指を舐めた。

「シチューついてた。美味しいね」

 彼の音色が甘くなると会話のリズムが狂ってしまう…ドキドキするから一呼吸反応が遅れてしまうんだ。そうすると彼はそれを楽しむかのように更に甘くなる。
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