こんなのアイ?




 俺の名前を呼んだままぎゅっと目を閉じた愛実…うまく甘えるように教えてやらないといけないな。

「どうした?言ってみて」
「…明日お仕事?」
「あー土曜日だけど仕事…今日愛実に会いたくて少し残してきた」
「そっか…もう大丈夫だから、ありがとう」

 そう言って手を離した愛実の額にコツンと額を落とす。

「いったぃ…」
「やり直し」

 額を擦りながら目を開けた彼女は意味がわからない様子で俺を見る。

「大丈夫だからじゃないだろ?そこは甘えるところ」
「…なに言ってるの?明日お仕事あるのにもう夜中だよ」
「仕事も夜中も関係ない。愛実のして欲しいことだけを考えて言うんだ」
「わがままだ」
「わがままじゃないだろ?ほら、言ってみ?ん?」

 彼女はもう痛くないであろう額に手を当てたまま目をキョロキョロさせ動揺を見せる。一声出せたら今日は助けてやるから言ってみろ…

「えっと…もう少しいて欲しいかも…です…」
「ぷっ…何でそんな小声…でも今日はそれでいい。ん?朝までいようか?俺は大歓迎」

 額にある手を取り、手のひらにキスをすると愛実は更に小さな声で

「お願いします」

 と言い布団に潜った。
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