極甘結婚はおあずけですか？

もちろん試合はあったけれど、辛うじて数試合出ただけだ。

それほど、高校野球とプロ野球の壁は厚かった。


それから2年間は、二軍で必死にプレーして、ついにレギュラーにしてもらえるまでの力がついた。


それ以降は一軍で代打起用されたり、調子が悪くなって二軍に落とされたり――の繰り返し。

それが、今期はシーズンが始まってから、一軍に居続けることができている。


打撃と走塁に期待されて、外野手として登録されているけれど、まだスタメン起用されたことはない。


スタメンの座までは遠く、安定していないのも事実だ。


代打や代走で出場しても、なかなか思うような結果が出せていないのが現実だった。



「俺だって早く――、くそっ……」



まさか、結乃からプロポーズしてくれないと抗議がくるとは思わなかった。

しかも、不安にさせてしまっていたなんて……、気づかなかった俺は馬鹿だ。