極甘結婚はおあずけですか？

嫉妬してくれたことが嬉しくもあるけれど、今回はここまで溜め込ませてしまった俺が悪い。


長い付き合いだから、言わなくてもわかってくれるなんて、俺の自惚れだった。


――結乃、許してくれっかな……。


疑われたことに苛立って、思わず八つ当たりしてしまった。そして、そのまま出てきてしまった。


何も言わなかった俺が悪い。

どうやったら結乃と仲直りできるだろうかと、落ち込み、考えながら俺は寮の自室に戻った。



◇◇◇



幼い頃から野球を習っていて、将来の夢はプロ野球選手だ。

そんな俺は、スポーツ推薦で甲子園にも出場するような強豪校に進学した。


もちろん、中学は近所で普通の公立に通っていたのだけれど、その高校の監督からスカウトしてもらったのだ。

強豪校な分、スタメンになるためにはもっと努力しなくてはいけない。


だけど、プロになる一番の近道だと思い、俺はその推薦を受けることに決めた。


でも、ひとつだけ心残りがある。