極甘結婚はおあずけですか?


そもそも、俺にそんな余裕ができるのかすら分からない。



「千紘は推薦決まったんでしょ?……私もそこ受けるから」



一緒の学校がいい、そう思っていたのが伝わったのだろうか……。


結乃はあっさりと、当たり前のようにそう答えた。



「受けるって、一般で?」


「そう」



一緒に行くと言ってくれて嬉しいのに、素直に喜べない自分がいる。だって――。



「お前の成績じゃギリギリだろ?」


「うっ……、わかってるもん」



そんなに悪くもないけれど、特別良くもない。結乃はとても平均的な成績だ。


だからこそ、俺の行く高校に一般入試で入るにはもう少し成績を上げないと難しい。


ちなみに俺も野球ばかりの生活だったせいで、そこまで頭が良いわけではない。

――野球の知識は別だけど。



「これから勉強頑張るんだから」


「……間に合うのか?」


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