極甘結婚はおあずけですか?



「あ、のさ……結乃は――高校どうするんだ?」



物心着く頃から一緒にいるのが当たり前で、俺の隣にはいつも結乃がいた。

だけど俺が推薦で高校を決めたら、この先結乃とは別々の道に進むことになってしまう。


将来のために決めたことなのに、結乃をひとりにしたくないと思ってしまうのだ。


はっきり言って、結乃は可愛い。高校デビューなんてしたらモテモテになるだろう。

だからこそ、俺の手の届かないところに行って欲しくないとも思ってしまう。


――護れなくなるから。


だからと言って、結乃も同じ学校に来て欲しいというのは自分勝手すぎるだろう。

私立の強豪校なのだ。普通に入ろうとしたら、だいぶ成績が良くないと入れない。

それに親の許可もいる。


この時点での俺には推薦を諦めるという選択肢は既にないため、結乃がどうするのか決めるのを待つしかなかった。


もし、別々の学校になったらどうやって護ろう……。

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