極甘結婚はおあずけですか?


だから千紘も、オフで用事のない時は当たり前のように私の家に来ていた。



「それにこういうこともできるし?」


「んっ……」



そう言った瞬間、千紘の唇が私の耳に触れる。


もう、映画の内容なんて頭の中に入ってこない。音も聞こえなくなるほど、千紘の触れるところに集中が全て持っていかれる。



「ち、ひ……ろ?」


「なぁ、結乃……こっち向けよ」



そんな甘い声に逆らえるはずもなく、私は素直に身体を少しずらして振り向く。


この後されることがわかっている私は、その雰囲気に任せて目をつぶった。


そんな私に、千紘は噛み付くようなキスを落としてくる。



「結乃……口、ひらけ」


「ふっ……ん……ぁ……」



息を吸おうと少し緩んだ口に、遠慮なく千紘の舌が割り込んできた。

いつもそうだけど、千紘のキスは少し強引だ。


それが私を求めてくれているからだと伝わってくるので、嬉しい気持ちもある。


――だけど、このせいで力が抜けてしまうので恥ずかしい。

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