空の表紙 −天上のエクレシア−
―――祭壇の足元に黒い渦
そこにガラが入ろうとすると
ピッキーノが猛然と飛び掛かかる
「な…何をする気だっ?!
ゆっ許さんぞ?!」
ピッキーノの腕が
奇妙な細い糸が集まった光の束になり
透明な壁の下にある
四角く光る色石を開いて、食いついた
『うるさいねっ!このクソガキっ!
静かにしてなっ!!』
「―うっ?!」
そう『声』をかけた途端に
ピッキーノの体に螺旋が走り
金縛りの様に動きが止まった
ガラの腕の指先から手首にかけ
黒く染まって、稲光が走り
震える。
「早くしないと『パスワード』が解けちまう…
なんて執念だ…」
―ガラはまた
意味の解らない言葉の詠唱を始める
しかし先程よりずっと長く
複雑な詠唱。
…数字数字数字…。
――それと共に
彼女の足元の渦が黒く
神殿中に広がり
コマ送りの様に景色が変わった――
…長い棒が飛んで行ったり
月に人が立っていたり
丸眼鏡の人が撃たれて
側で若者が本を読んでいたり
毛むくじゃらの猿人間が
牙をはやした象を追っていたり
キノコ形の雲が空を燃やしていたり
―『ブツ。』―
その音と共にまた
暗闇が訪れる