神殺しのクロノスタシスⅣ
僕の頭の中は、一瞬で飽和状態に陥ったが。
しかし、ここで狼狽えるようでは、読心魔法使いの名が廃る。
「はい、それでは次の方どうぞ」
僕は、何食わぬ顔で次の生徒を呼んだ。
今度は男子生徒だった。
彼は炎魔法を披露してくれたが、僕は彼の心を読みながら、同時にもう一人の読心も続けていた。
二人だけなら、同時読心も容易く出来るようになった。
訓練の賜物ですね。
「ど、どうでしょうか?」
「そうですね。なかなか良い火力だと思いますよ」
褒めながら、内心では全然違うことを考えていた。
この男子生徒には悪いが、今はそれどころではないのだ。
実際、さっきの女子生徒に比べると、実力は大したことないし。
…それよりも。
不味いことになった。
これは、完全に僕の失態だった。
また同じことを繰り返したのか?僕は。
兆候は見えていたのに。新聞にも目を通していたのに。
王都でも、南方都市でも、国中に「そういう空気」が広がっているのは、分かっていた。
未然に防ごうと思えば、防げた。
だけど僕は、無意識に警戒を怠っていた。また慢心していた。
あの学院長がいる限り、ルーデュニア聖王国は安泰だと信じ込んでいたのだ。
…起きてしまったことは、もうどうしようもない。
今は、これ以上の被害を防ぐことを考えなくては。
その為には一刻も早く、学院長達に伝えなければならない。
そして、今の僕に出来ることは。
「はい、次の方どうぞ」
笑顔を取り繕い、平静な振りを装いつつ。
近くにいる、全ての人間の心の中を、探ることだった。
しかし、ここで狼狽えるようでは、読心魔法使いの名が廃る。
「はい、それでは次の方どうぞ」
僕は、何食わぬ顔で次の生徒を呼んだ。
今度は男子生徒だった。
彼は炎魔法を披露してくれたが、僕は彼の心を読みながら、同時にもう一人の読心も続けていた。
二人だけなら、同時読心も容易く出来るようになった。
訓練の賜物ですね。
「ど、どうでしょうか?」
「そうですね。なかなか良い火力だと思いますよ」
褒めながら、内心では全然違うことを考えていた。
この男子生徒には悪いが、今はそれどころではないのだ。
実際、さっきの女子生徒に比べると、実力は大したことないし。
…それよりも。
不味いことになった。
これは、完全に僕の失態だった。
また同じことを繰り返したのか?僕は。
兆候は見えていたのに。新聞にも目を通していたのに。
王都でも、南方都市でも、国中に「そういう空気」が広がっているのは、分かっていた。
未然に防ごうと思えば、防げた。
だけど僕は、無意識に警戒を怠っていた。また慢心していた。
あの学院長がいる限り、ルーデュニア聖王国は安泰だと信じ込んでいたのだ。
…起きてしまったことは、もうどうしようもない。
今は、これ以上の被害を防ぐことを考えなくては。
その為には一刻も早く、学院長達に伝えなければならない。
そして、今の僕に出来ることは。
「はい、次の方どうぞ」
笑顔を取り繕い、平静な振りを装いつつ。
近くにいる、全ての人間の心の中を、探ることだった。