神殺しのクロノスタシスⅣ
不思議なことがあるものだ。
まさか、自分の身体を自分で動かせないなんて。
一体、誰が誰の意志で動かしてるんだろうなぁ?
でも、歩き出すとか声を出すとか、そういう大きな動きは出来なくても。
軽く小指を動かそうとか、首をぐるりと回してみようとか、そういう小さな動きなら自由に出来るのだ。
ある程度の自由は、認められているらしい。
しかし、状況を大きく変えるような、そんな動きは出来ない。
しようと思っても、身体が言うことを聞かないのだ。
まるで、何者かによって作られたレールの上を辿るよう、仕向けられているみたいだ。
…本当、不思議なことがあるもんですね。
まぁ、それならそれで、いっか。
と、俺は楽観的に納得した。
自由が効かないんだから、俺が何もしなくても、それは俺の責任ではないし。
やるべきこと、すべきことは、この身体が勝手にセミオートでやってくれるし。
じゃあ俺本人は、何もせず、成り行きに身を任せていれば良いってことじゃないか?
多分、何処かの誰かさんの記憶や体験を、追体験してるんだろう。
何でかは知らないけど。
俺、何やってたんだっけなぁ。
思い出すのが理想なんだが、思い出せないなら放っとけば良いや。
まぁ、なるようになるだろう。
…と、普段の俺ならそう思うんだろうけど。
今回は、そういう訳にはいかないんですよね。
だって、俺が成り行きに任せて、ボケーっと生きてるのはいつものことだけど。
でもそれは、あの人が…。
と、そこまで考えた、そのとき。
「おい、お前。まだぼんやりしてるのか?」
例のハゲ教師が、俺の方を見て呆れたように言った。
まさか、自分の身体を自分で動かせないなんて。
一体、誰が誰の意志で動かしてるんだろうなぁ?
でも、歩き出すとか声を出すとか、そういう大きな動きは出来なくても。
軽く小指を動かそうとか、首をぐるりと回してみようとか、そういう小さな動きなら自由に出来るのだ。
ある程度の自由は、認められているらしい。
しかし、状況を大きく変えるような、そんな動きは出来ない。
しようと思っても、身体が言うことを聞かないのだ。
まるで、何者かによって作られたレールの上を辿るよう、仕向けられているみたいだ。
…本当、不思議なことがあるもんですね。
まぁ、それならそれで、いっか。
と、俺は楽観的に納得した。
自由が効かないんだから、俺が何もしなくても、それは俺の責任ではないし。
やるべきこと、すべきことは、この身体が勝手にセミオートでやってくれるし。
じゃあ俺本人は、何もせず、成り行きに身を任せていれば良いってことじゃないか?
多分、何処かの誰かさんの記憶や体験を、追体験してるんだろう。
何でかは知らないけど。
俺、何やってたんだっけなぁ。
思い出すのが理想なんだが、思い出せないなら放っとけば良いや。
まぁ、なるようになるだろう。
…と、普段の俺ならそう思うんだろうけど。
今回は、そういう訳にはいかないんですよね。
だって、俺が成り行きに任せて、ボケーっと生きてるのはいつものことだけど。
でもそれは、あの人が…。
と、そこまで考えた、そのとき。
「おい、お前。まだぼんやりしてるのか?」
例のハゲ教師が、俺の方を見て呆れたように言った。